ドライウォール工法
ドライウォール工法はテーピング処理で繋ぎ合わせた石膏ボードで壁を作る工法です。
それに欠かせないのがテーピング処理といい、石膏ボードと石膏ボードのスキマをパテとテープで丁寧につなぐ処理です。
これにより壁を一つの石膏ボードで成型でき、石膏ボード本来の性能を引き出す、非常に大切な工程です。
テーピング処理を行うことにより、気密性が上がり、耐火性、保温性、遮音性のレベルが上がるだけでなく、
壁全体としての剛性が高まるため、日本では重要な耐震性も大きく上がります。
そんなドライウォール工法の作業工程をテーピング処理を中心に図を交えてご紹介いたします。
(今回はテーピング処理の内容を分かりやすくするために、すべて手作業での工程です。)
石膏ボードをビス留めして柱に固定 |
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下塗りパテをテーピングナイフでスキマに均一に塗りこむ |
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先ほどの下塗りパテの上に、石膏ボードのスキマに合わせて、 下塗りパテにくぐらせたテーピング用テープを丁寧に貼る |
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テープの脇などの下塗りパテの盛り上がり、 下塗りパテ端の出っ張りなどをテーピングナイフを使って取る |
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10インチテーピングナイフでテーピングの線を中心に広めに2度目の下塗りパテを塗る |
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最後に仕上げ用パテを12インチの仕上げ用コテで平らに塗りならして乾燥したら工程 |
外観そのままに、これで複数の石膏ボードが一枚に繋ぎ合わされ、石膏ボードの優れた特性を引き出した石膏ボードとなるのです。
石膏ボードの紙は 接着剤で着いているの?
ドライウォールの仕事をしていると たまに そう聞かれることが有ります。
せっかく 人体に優しい製品を作っても 接着材という科学物質を使用したら
意味がありません。焼き石膏を水で練ると石膏が固まる過程で 針状結晶を起こします。
その特性を上手く利用して 紙のパルプの繊維質に 石膏が固まる過程でしっかりと食いつくことができるために 表面や裏の紙と石膏が一体になります。こうした発見から作られた 石膏ボードという 人体に優しく火には強い 優れた建築資材は 多くの人々に支持され 現在では 建築にはなくてはならない建材となりました。
コレがドライウォール工法だ!
しかしながら その優れた建材でも 継ぎ目からは火が入り耐火という意味では劣ります。
その継ぎ目の処理をきちんとして 継ぎ目だらけの石膏ボードを一体化させるために 特殊な和紙のような
素材でできた ジョイントテープとパテを使用します。 このジョイントテープを貼るにも 接着剤などの 科学物質を使っては 意味がありません。 石膏と紙の繊維が 上手く絡み合うという 特性を利用して 石膏ボードとパテを 和紙のような材料で作られた ジョイントテープという材料としっかり接合させることで 継ぎ目だらけの石膏ボードを 一体化させることが できるようになりました。塗り壁の湿式工法に対して 石膏ボードを使用して 作業効率を上げることを可能にした このシステム工法が 乾式壁工法・・・つまり ドライウォール工法と言われるようになりました。
つまり クロス仕上げでも 珪藻土仕上げでも ペイント仕上げでも 全て ドライウォール工法ということになるのです。
ぶつ切れの継ぎ目処理の問題
造作工事が終わった後の施工では 仕上げ材(チェアレール等)の裏側は
継ぎ目処理がされていないために ぶつ切りの継ぎ目処理になってしまいます。
また、一軒の住宅の内で 部分的に施工を依頼される場合もありますが、木造住宅の 場合は特に 木材本来の収縮や反りによって 躯体が動く可能性が高いので 継ぎ目処理されていない部分は一体の大きな面で支持される
継ぎ目処理された部分と比べて 弱い部分に付加がかかるため
当然 ひずみや歪みが多くなり 建物全体のバランスを考えても 良いわけがありません。
◆瑕疵担保責任
住宅建築の言葉の中に、瑕疵担保責任という言葉があります。
住宅は完成後気温に左右されたりして、動きが生じます。クロス下地もペイント下地も同じですが、下地基材の石膏ボードが動いたりする事でボードとボードのつなぎ目に割れが生じるケースがあります。
これはクロス施工の時には見えにくいのですが、ペイントは一般的に千円札1枚分くらいの塗装膜しかないので、下地が割れる事で、表面にも割れが生じます。これは予期出来ぬ欠陥として、建築を請け負った業者が負う担保責任となっています。 現在の建築工程では石膏ボード貼りは大工さんの仕事で、その後の塗装は
ペインターの仕事となっていますが、ここで重要なのはペイントだから
割れが生じるのではなく、その下地を如何に割れにくくするかと言うところにあります。ですから、完成後壁に割れが生じると、「壁を作る業者が1つでない為に」責任の所在が明確にならなくなり、建築業者としてもなかなか導入出来ない。
と言う事が挙げられます。
(「瑕疵担保責任」部分はB.M.ジャパン株式会社HPより抜粋したもの)
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